子供がいつも出来ていた事がなぜか突然出来なくなる時があります。
今までちゃんと座って食べていたのに、
あっちこっち動き回るようになってしまった。
トイレでオシッコを出来ていたのにお漏らししてしまったり。
または、平気でウソをついたり、かんしゃくをおこして物に当たったり。
親を困らせる不安定な行動の数々。
「なんでちゃんと出来ないの?」
とイライラして叱りつけてしまったことも。
行動が不安定になってしまう理由は?
理由は様々あるものの、特に多いのが下の子が出来て親の愛情を感じられなくなった時、
または親の私たちが仕事などで忙しく、あまり関わってあげられていない時など。
行動が不安定になってしまうのは、親にこっちを向いてほしいがために、
子供なりに必死になって行動しているのかもしれません。
まだ言葉でうまく自分の気持ちを伝えることが出来ないので、
「この気持ちに気づいて」という欲求が、親を困らせる行動に繋がっているのでしょう。
しかし、そんな時ほど親である私たちの心にも余裕がないので、
子供のそんな行動についイライラしてしまいがち。
訳がわからず怒るしかなかった!
我が子の事を振り返ると、やはり下の子ができた時から上の長男は困らせる行動をし始めました。
突然大声を発したり、物を投げつけたり、今までそんなことした事なかったのにと、
夫婦でおどろいた記憶があります。
でも、親である自分も当時は必死だったので、子供のそんな気持ちに寄り添うこともできず、
力づくで押さえこんでしまい、辛い思いをさせて後悔してしまったこともありました。
そんな子供の心が不安定になり困らせる行動をする場合、
どう接していけばいいかわからないのは親としても、とてもシンドいんですよね。
「子供の行動すべてには目的がある」
この言葉は教育現場で広く使われるアドラー心理学の考え方。
子供の気まぐれに見える行動や、ワガママに見える行動にも全部に目的があるとアドラーは言っています。
特に問題行動と言われる行動にはハッキリとした目的がある。
だからこそ、子供がとってしまう不安定な行動の理由を探っていけば、
この問題の解決の糸口が見えてます。
そして、この時期を親子で正しい方法で乗り越えていけば、間違わずに育っていく。
そう実感しています。
ここでは、
保育の現場に60年、たくさんの子供を見てきた保育士の大川繁子さんという方の保育本と、
多くの保育園の教育の基礎となっているアドラー心理学を参考にしながら、
不安定になっている子供との接し方を学んでいきたいと思います。
怒ってしまうその前に、子どもの行動を分析してみる
「なんでそんな事ばかりするの?」
親たちにとって、とても理解できない行動の数々。
忙しい時など、こちらに余裕がない場合はついイライラしちゃうんですよね。
でも、叱ったところで困らせる行動が無くなるわけではありません。
なぜなら子供の欲求が満たされた訳ではないからです。
大人の理屈ではなぜそのような行動をしたのか分からなくても、
子供と同じ目線に立って観察してみたら理由に気づくことも。
平気でウソをついたり、何度怒っても同じことを繰り返す場合もあると思います。
もしかしたら、子供からの言葉に出来ないメッセージなのかもしれません。
「ただ普通に話しかけても親はこっちを向いてくれない」
たとえ親に怒られようがこっちを振り向いてくれればいい。
親を困らせることが目的ではなく、問題行動をするのはあくまでも振り向いてもらうための
手段でしかないのでしょう。
だからその目的を達成しない限り、いくら叱ってもまた同じ行動を繰り返すはずです。
根気強く、子供が気持ちを言葉にできるよう向き合う
子供は気持ちを言葉にできないからこそ、行動でしか自分を表現できません。
私たちはイライラしてしまうのをこらえ、まずはそのままの子供を受け止めましょう。
そしてこの先、問題行動を無くすには自分の気持ちを簡単な言葉でも
私たちに伝えられるようにしてもらわなければいけません。
時間はかかるかもしれませんが、とても大事なことです。
もしかしたら、私たちが子供との約束を破っている事がストレスになっているかもしれません。
たとえば、子供のお願いを「あとでね」で毎日受け流し、
満たしてあげられていないというパターンなど、
言うなれば、子供からの期待を裏切り続けている行為。
子供にとってはとても辛い事でしょう。
大人には「そんなことで?」と思えることでも、
少しの言葉で何かしらのヒントが出てくる場合があり、
やはり根気強く子供と向き合うのが正解と言えるでしょう。
なぜなら、話せば自分の気持ちを理解してもらえるとわかれば、
行動ではなく言葉で伝えようとしてくるからです。
悪い行動だけではなく、当たり前に出来ていることに目を向け言葉にしてあげる
悪い事をしなくても親が目を向けてくれる事をわかってもらう
子供の目的がわかったら、普段の行動に目を向けてあげれば子供も徐々に理解してくれるはずです。
注目を集めたいだけの行動をしなくてもこっちを見てくれると。
保育士の大川先生は悪い事ばかりする子供に疲れ果てたママにこう言っています。
「何にも出来なかった小さい子がずいぶん色々なことが出来るようになっているでしょう、
毎日元気に起きてくれる、本当はそれだけでありがたいこと。
探せば悪い事ばかりなんてないはずだよ」
確かに病気もせず、たとえひと悶着あったとしても、ご飯を食べ、お着換えもしてくれる。
腹が立つ行動ばかりだけれど、親である自分だけを頼りに未熟ながらでも全力で生きていてくれる。
本当はそれだけでありがたいことなのかもしれません。
うれしいと思える事を言葉にして伝えてあげる
わたしたち親は毎日忙しく、「そんなに子供と向き合っていられない」
というのが正直なところで、それはどの家庭にも当てはまるのではないでしょうか?
「子供には毎日愛情深く、あたたかい心で接していけたらいいのに」と、
誰もがそんな余裕が欲しいと思っています。
しかし時間がない中で、大人が出来る当たり前を出来ないからつい怒ってしまうのが実際のところ。
私も子育てをしている身として、怒るのはしょうがない事だと感じてしまいます。
でも冷静に考えたら、子供は少しずつでも成長してくれているんですよね。
- 歩けなかったのが歩けるようになった
- おっぱいを卒業できた
- 一人でご飯を食べられるようになった
大人には当たり前のことでも、子供には大きな挑戦だったのではないでしょうか。
そして今も毎日、成長するための大きな壁を登り続けていて、それを大好きな親に見ていてほしい。
そう子供は思っているはずです。
だからこそ、ご飯の時ちゃんと座れていたことでも、お着換えを出来たことでも、
当たり前だと思わず「うれしい」を言葉にして子供に伝えてあげる事が大事なのではと思います。
愛してる、大好きだよを伝える
目まぐるしく過ぎていく毎日の中で、言葉にしてそう伝える機会ってそうそう無いですよね。
おススメは夜寝る前の布団の中です。
なぜなら寝る前ならもうあまり怒ることも無いし、
一日を振り返り、子供に何事もなく元気でいてくれたと感謝しやすいからです。
子供にとってみても親に愛情ある言葉をかけてもらえば、目を向けてもらっていると実感できるから、
とてもうれしいはず。
そうすれば困らせるような行動も減っていくのではないでしょうか。
参考にした本
大川繁子 「子供はもっと自由に生きられる」
作者はなんと92才で今だに現役の保育士として現場で子供の面倒を見ている方です。
特筆すべきはその保育園の教育方針。
朝、登園してから親がお迎えに来るまで、
やる事を一切決めず子供の好きなように過ごさせること。
しかも、お昼ご飯もバイキング形式になっていて好きな物を好きなだけ食べてもいいし、
全く食べずにずっと遊んでても叱らないというから驚きです。
ただ、完全放置の保育園かというとそんな訳ではなく、
教育方針の根底にはアドラー心理学とモンテッソーリ教育を取り入れていて、
子供にも人格があり、自分に関することは自分が決める権利がある。
大人は決めるための材料を子供に与えてあげる事だけ。
との考えのもと、1歳児から少しずつ自分で選ぶ練習をさせるそうです。
それぞれの子たちが大きく成長する時期を邪魔せずに伸ばすことに重きを置き、
自由に生きる力と責任があれば、どんな子もどんな世の中であろうとも幸せに生きられる。
何十年もその教育方針でやっていて実績もあるから評判が評判を呼び、遠方からはるばる引っ越してきてまで
「この保育園に入りたい」という強者もいるんだとか。
いわゆる世間で言う「スゴイ人」に育てる保育ではなく子供一人一人が、
それぞれ持っている能力や力をめいっぱい発揮するための保育を目指しているそう。
「自分しかない花を見つけてあげて、
自分で咲かせられるようサポートする」
この本の大川先生の話を読むうちに、
そうだったのか、もっと早くこの本の存在を知りたかったなと、悔やみましたね。
本の最後には全国の親が悩んでいるであろうお悩み相談コーナーもあり、何度も何度も読み返してしまいました。
読んでいくうちに、「これでいいのだろうか」とモヤモヤしていた子育ても、答えが見つかるはずですよ。
保育の現場に60年立ち、何度も失敗も繰り返し子供の成長にとってどんな教育がいいのか必死に学び、
今の教育方針を見つけた大川先生の話はとても参考になります。
読み終わったら、我が子を今までとは全く違う視点で見れること必至です。
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